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白い封筒を片手に家を出るとケータイが鳴った。 ディスプレイに映っている名前は南さんだったけど、4回以上なっている。 「もしもし……?」 「かなちゃん、八重ちゃんのこと探してきて!電話でなくて…」 「わかりました」 電話を切ると深いため息が出た。 早く、茅月に会いたい。1秒でも多くそばにいたいのに。 もう学校は終わって結構たってるから、学校にはいないだろう。八重ちゃんは何処いるんだろうか。早く見つけて病院に戻りたいと気持ちが焦ってしまう。 私は八重ちゃんのいそうなところを必死で探した。家の近くの公園、コンビニ、本屋…いくら探しても見つからない。 走り回っていたせいか、ひどく喉が渇いていたので少し先にあった自動販売機まで歩き、お茶を買ってベンチに座った。
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