1人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
少し寂しく思って抱いてる手をうさぎをぎゅっと強く握った。
ふう、とため息をついて顔を上げた時だった。
鈍い音がしたあと、体がぐらついたのがわかった。
私はボールが当たって驚いたのと、緊張がほどけたのとで、一気に脱力してその場にへたりこんでしまったようだ。
「大丈夫?」
慌てた様子で1番に駆け寄ってきたのは茅月だった。
「立てる?かなちゃん」
茅月は私の手をつかんで立たせてくれると、私の服についた砂を払ってくれた。小さい手がスカートを叩くのに合わせて白い砂が舞う。私はそれを見つめるだけで何もできずに突っ立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!