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────ゴンッ 鈍い音がして目が覚めた。 「……痛っ」 左頭部に痛みを感じながら目を開けると、そこは病室であった。 五十嵐花奈〈イガラシカナ〉、16歳。 どうやら私はパイプイスに座ったまま寝てしまったようだ。壁にぶつけた左頭部をさする。 地味に、痛い。 それにしても懐かしい夢を見た。あれは私が確か、小学校に入る前だったような気がする。 「かな、来てたんだ」 ベットに横になっていた青年が目を覚まして、私に気がついて声をかける。 か細い割には通った声。 狩野茅月〈カリノチヅキ〉、17歳。 昨日はいつもよりひどい発作を起こした茅月は重たそうに体を起こす。 「ちー、私、昔の夢見た!」 「ふーん」 今年で高2になった茅月は小さかった頃と比べて、無愛想になった。でも相変わらず体は細いまま。
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