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――今更、遅いだろうけど、ね
その言葉を聞いた時、僕は胸を激しく拳で突かれたような気がした。まるで僕を責めているような言葉だと思った。仲良し三人組み、率先していたのは僕だ。タカヒロはアイツ自身も遊びに誘ってくれたけど、タカヤは常に受身だった。
――アイツだって乗ってきたんだから、アイツの責任だ。
僕は自分にそう言い聞かせた。
タカヒロとタカヤの進路が気になって、注意力散漫になっていた。結局、進路を決めるのが一番遅かったのは僕だ。タカヤのように取り柄もない僕は、ただ父親がうるさくすすめるままに英文科に行くと教師に言って、教師を仰天させた。
そりゃそうだ。僕の成績、特に英語は、万年赤点ぎりぎりなんだから。
それでも、今の時代英語が最先端だと、父は言って聞かなかった。
タカヒロはなぜか、遊び人のくせに頭がほどほどによかったから、志望した大学には余裕で行ける見込みがあった。
タカヤは進む道を決めてから、真剣に勉強を始めた。根が真面目なヤツだから、一度始めると跳ね上がるように成績があがった。
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