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そんな願いはいつまで経っても叶わない。
兄は頑なに部屋から出ようとしない。
それを強制しようとすれば、母がやめて!と泣いて止める。
僕も父も、そのうち兄の顔も忘れるぐらい、姿も見なくなった。
二階に、それも隣にいるというのに……。
けれど、相変わらず母は兄に暴力を振られているのか、二階から降りてくるたび手には血と痣が出来ていた。
警察沙汰にならないのは、当人の母がどうしてもと願い、兄を愛していたから。
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