2人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんでって。そりゃ、ここに来たのもエリナが……」
「待て、どういうことだ」
「へっ?」
それまで気だるそうな態度だったアンデルセンが突然血相を変えた。本を持っていた俺の手首を掴みひねり上げてくる。突然のことに本を取り落としてしまった。
「な、なんだよ!」
「もう一度言え、お前はどこから来た」
「どこって、えっと……東京都三鷹市、ですけど。あ、ビッグサイトだから江東区?」
「馬鹿か貴様! 脳みそまで砂糖菓子になったのか!」
「はぁ!?」
もう何を言われているのかさっぱりわからない。どこから来たとか、そんなのこっちが聞きたい。どうしたここにいるのか、どうして呼ばれたのか、どうしてあのときエリナが俺を呼んだのか。どうして、何の変哲も無い俺だったのか。わからないことばかりだ。そして今ここにその姿が無いことも。俺には不思議で、そして不安だった。
確かにエディットの方法はゲームをやり込んでいるから分かっている。敵を倒して物語をあるべきものに戻す。それだけだ。でも、それは俺一人じゃできるわけじゃあ無い。エリナが隣にいてくれるからできるのだ。なのに、どうして。隣にいないんだろう。
「あ、ここにいたんですね、先輩!」
「エリナ……!?」
最初のコメントを投稿しよう!