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痛いほどの光は徐々に弱まっていき、もう直ぐ『シンデレラ』の世界にたどり着くと思った、その時。エリナが小さく俺を呼んだ。それはあまりに小さく、それでもどこか覚悟に満ちた声だった。
「先輩は、私が守ります。私があなたの盾になる。だから……今度こそ」
今度って。一体なんだ。彼女は一体何を知っているんだろう。俺がこの世界に呼ばれたことに関係しているのだろうか。でもそれを知ってしまうのが何だか怖くて、今はただエリナを信じるしかないのだと思い、縋るように書物と万年筆をぎゅっと抱きしめた。
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