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西の空が暗く、色を変えていく頃。僕の部屋から見える空は薄く紫色だった。冷たく固いフローリングに直で寝転がる僕は、ただただ天井をみつめながら涙をこぼした。
いつからか、僕はこうしてかなしいのか、嬉しいのか、悔しいのか、腹立たしいのか分からない涙を流すようになった。
使われることのないスプリンクラーを見つめると、心にある何かの栓が抜ける気がした。そのまま深呼吸をしながら力を抜いていく。ゆっくり、ゆっくりと。
日々変化のない僕はなにもない僕を作り上げ、間違えた形へと進んでいく。そんな日々のなかで気づかないうちに張っていた糸を、この瞬間緩めているのだろうと思う。
僕にはとても大切な時間だ。
そんな時はふと、暗いことばかり考えてしまう。
最近では中学生の子達が世の中で活躍している。なら、僕になにができるだろうか?なにもないまま育った僕になにか出来るようになるのだろうか……
やめよう、心がいたいだけだ。
そう思いながら頭をポリポリと掻いた僕は、手をつき体を起こした。その時豪快にパキっと腰がなった。痛くはないよ。ただ、あー歪んだなぁと思っただけ。
体を起こして見た西の空は真っ赤にそまり、絶景というものだった。絶景を目の前にして怖いと思う僕は、逃げるかのように部屋を出た。
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