第1章

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もう、遠い昔の話だ。 ふと思い出した昔の事。 高校生の頃の風景が甦る。同じクラスになって、いつの間にか仲良くなった。 彼女は他の友達よりも特に仲良しで不思議と何でも話せた。 高校を卒業しても連絡を取り合っていた。電話で話すのが年に三回くらい。だけど、昨日の続きのように、いくら日をおいても時間がスムーズに流れる。半年連絡をしなくて気まずいとか、全くそんな事はなく本当に昨日の続きのように話せる居心地のいい友達だった。 あの頃は毎日が楽しかった…と思う。 タバコに火をつけて煙を吐きながら空を見る。今の俺を、あの頃の俺が想像出来るわけもなく、あの頃の俺はどんな未来を描いていたっけな…。 仲良しだった彼女が好きな空を見ながら、オヤジになった俺はタバコの煙と溜め息を同時に吐き出した。
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