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「う、うん。
一緒にいたいけど…
教師を始めたばかりで投げ出せない。」
「そうだよな、急ぎすぎだよな。
夕貴の生活だってあるよな。」
考え込む高村くん。教師になる前に出会ってたら、私は彼の胸に手放しで飛び込めただろう。
やっと慣れたとこで、自分がしたかったことはまだ何も出来ていない。
こんな中途半端で辞めたくない
「…ごめん。」
「謝らなくていいよ。俺はずっと夕貴と暮らすことばかり考えてたけど、夕貴は今まで俺と接点がなかったから俺の気持ちを知らなかったんだし、降って湧いた話なんだから…
戸惑うのは当たり前だ。」
「一緒にいたい気持ちは嘘じゃないよ。高村くんを好きな気持ちは、高校の時から何も変わってないよ。ずっとここにある。」
胸に手を当てて高村くんを見上げると、二重の目が優しく細められた。
「じゃあさ、取り敢えず仕事が休みの時はここに来る。その時は一緒にいてくれる?」
「うん、私も一緒にいたい。」
「その後のことはゆっくり考えていこう。今は夕貴に会えるだけで凄く幸せだ、夢みたいだ。」
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