第1章

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思い付いたようにパッと目を見開き、山口先生が話始めた。 「浅井先生、時間ありますか? 大量の印刷物をホッチキス止めをしないといけないんですが、手伝っていただけますか?」 「ああ、そういうことならお手伝いしますよ。」 そんなに急ぎの仕事は今はない。 仕事のお手伝いなら苦手な山口先生の依頼だとしても、断ることもないかな? 「じゃあ会議室に書類を持っていきますから、ホッチキス持参でお願いします。」 「了解しました。書類、一緒に持っていきましょうか?」 「では、ちょっと待っててください。」 自分の席に戻った山口先生が、書類の入った箱の上に書類の入ったペーパーバックをのせてこっちに歩いてくる。 「上のペーパーバックを持って頂けますか?」 「はい。」 ホッチキスとペーパーバックを持ち、山口先生のあとに続いて会議室に入った。 山口先生は私がレイだと疑ってる。 頭がよくて見透かされてるようで、侮れない人だ。 あまり二人っきりになりたくないけど、手を動かしてる状態なら何も出来ないだろう。 二つ向こうの部屋には職員室があるから、声を出せば誰か来てくれるだろうし… 酔ったときに好意を持ってることを言われたけど、きっとお酒の場の冗談だ 変に断るのも自意識過剰だよね 「じゃあ書類を綴じる順番に置いていきますから、まずはセットを作ってここに置いていきましょう。 ホッチキス留めは最後にしますから。」 順番に7枚づつのセットにして重ねていく単純作業だ。 頭を使わないでいいから楽だ。ダブって取らないように慎重に1枚づつ取っていく。
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