第1章

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「分かりました。浅井先生が来てくれるのはwelcomeですよ。」 片方の広角を上げて悪戯っぽく話す山口先生。 からかってるように見える。 本気か冗談か掴みかねて戸惑ってしまう。 「また、そんな冗談。 やめてください、手伝いませんよ。」 何だか分からないうちに山口先生のペースに巻き込まれそうで不安になる。 ハッキリ言って必要以上に近付かれないようにしなくては… 「そんな、連れないなー、冗談じゃないんです。 浅井先生は僕がお誘いしたら迷惑ですか?」 山口先生が神妙な顔を向けるから、やっぱりちゃんと伝えないといけないと思った。 「あの、好きな人がいるんです。結婚も考えてるので、個人的に会うことはできません。」 「なんだ、彼氏がいるんですね。 そういえば浅井先生、雰囲気が変わりましたね。」 じっと覗き込むように見つめてくる。 そんなに近づかないで欲しい。私が近づきたいのは高村くん一人なんだから…。 おもいっきり体を反らして距離をとった。 「え?何も変わってないですよ。」 「なんだか落ち着いていて、おどおど感が抜けた感じ。痩せた? 二日見ない間にキレイになってる。」 「変わらないですって。」 「まさか…」 「な、何ですか?」 山口先生の視線に変な汗が滲む。 山口先生は鋭くて苦手だ。頭がよくて何を考えているのか分からない。 私がレイだということも彼は感づいている。 その冷静な目に何でも見透かされそうで苦手だ。
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