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「いえ、そんなこと僕の口からは言えません。
浅井先生のリア充なのは分かりました。けれど、僕は全然気にしません。寧ろやる気が出てきました。ハードルが高ければ高いほど、燃えるんです。」
山口先生の熱のこもった視線を向けられて、書類を落としそうになった。
「オッと!」
手から落ちそうな書類を、大きな両手が私の左手ごと抑え、辛うじて落ちるのを免れた。
「あ、ありがとうございます。」
お礼を言って山口先生の手から逃れようとするけれど、しっかり手を抑えられていて離れない。
山口先生の長いきれいな指が私の手を撫でる。
不覚にもドキンと心臓が跳ねる。
「や、山口先生、もう大丈夫ですから…」
「浅井先生の手、細くてしなやかで触り心地がいいですね。」
嫌だ!
私の触れたいのは高村くんの手だけ
この手は触れてはいけない手だ。
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