第1章

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「レイは夕貴なんだよな?」 「うん。」 「一緒の仕事があっただろ?」 「うん。」 「何で断った?」 「もし私が元カノだとわかったら高村くんに迷惑が掛かると思って…。」 「なるほど… 俺は一緒に仕事したかった。後で健から聞いて悔しかったんだ。」 眉を下げる高村くん 私だって会いたかった 出来るものなら一緒に仕事をしたかった けれど、ネット騒ぎで彼が大変だったことを知ってるから 会えてもまた引き離されるのが予想できたから… 考えれば考えるほど無理だと思った。 「私たちがよくても、世間がどう思うか分からないから…。」 「俺のことを気遣ってくれたんだな。 で、モデルはもう辞めたの?」 「ずっとできる仕事じゃないって思って 大学在学中に教員免許を取っておいたの。」 「へー、それで教師してるんだ。 レイは結構人気あったんだけどな。いつか一緒にできるって楽しみにしてたんだ。」 「CHACHAの店長にも言われた。 一番いいときにやらないのは勿体ないって。」 「夕貴はずっと教師をするの?」 「うん、始めたばかりだし、今のところ辞める気持ちはないよ。」 こちらには体を向けて高村くんが真剣な目で見詰めててくる 間近で素敵な顔に見られることが恥ずかしいけれど、目が逸らせない。 頬が熱を帯びるのを感じながら彼の言葉を待つ 「俺は夕貴に専属マネージャーになってほしいと思ってる。家でも外でも側にいて欲しいんだけど。」
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