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「レイは夕貴なんだよな?」
「うん。」
「一緒の仕事があっただろ?」
「うん。」
「何で断った?」
「もし私が元カノだとわかったら高村くんに迷惑が掛かると思って…。」
「なるほど…
俺は一緒に仕事したかった。後で健から聞いて悔しかったんだ。」
眉を下げる高村くん
私だって会いたかった
出来るものなら一緒に仕事をしたかった
けれど、ネット騒ぎで彼が大変だったことを知ってるから
会えてもまた引き離されるのが予想できたから…
考えれば考えるほど無理だと思った。
「私たちがよくても、世間がどう思うか分からないから…。」
「俺のことを気遣ってくれたんだな。
で、モデルはもう辞めたの?」
「ずっとできる仕事じゃないって思って
大学在学中に教員免許を取っておいたの。」
「へー、それで教師してるんだ。
レイは結構人気あったんだけどな。いつか一緒にできるって楽しみにしてたんだ。」
「CHACHAの店長にも言われた。
一番いいときにやらないのは勿体ないって。」
「夕貴はずっと教師をするの?」
「うん、始めたばかりだし、今のところ辞める気持ちはないよ。」
こちらには体を向けて高村くんが真剣な目で見詰めててくる
間近で素敵な顔に見られることが恥ずかしいけれど、目が逸らせない。
頬が熱を帯びるのを感じながら彼の言葉を待つ
「俺は夕貴に専属マネージャーになってほしいと思ってる。家でも外でも側にいて欲しいんだけど。」
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