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私に何があったって?!
別に……大したことはない。
1年前に別れた元彼から今朝連絡が来た。
結婚することになったって……。
ただ、それだけだ。
当時は結婚目前と言われてた私と彼だけど、結局最終的なところで合わなくて結婚に踏み切れず別れた。
それはもう円満に。
だから、彼が誰と付き合おうが結婚しようが私には関係ない。
けど……。
だけどさっ!!
私の時はこっちがいくら待っても踏ん切り付かなかったくせに、別れてたった一年で結婚だと?!
しかも!
しかもだよ!?
……こんな若くて可愛い女に行く?!
報告と一緒に送られて来た幸せそうな2人の写真。
相手はどう見ても二十代前半の若くて可愛い女の子。
その写真を見た瞬間に私は打ちのめされた。
頭の中に浮かぶのは「敗北」の二文字。
危く職場でスマホを投げ捨てるところだった。
その敗北感は相手の女の子が若くて羨ましいなってことではない!
たった一年で、私が仕事に夢中になっていた一年で最も簡単に最高の幸せを勝ち取った彼に対して感じたものだ!
女の僻みなんかじゃない!
……と思いたい。
あー!!くそ~!!
「くっそぉぉ~!」
無意識に声が出るほどよっているけど、こんな日に飲まずにいられるかっての!
あの写真を思い出しては、私は次々にお酒を流し込んでいた。
結局、飲みに行ける友達も発散させる趣味もないつまらない三十路女は、悔しさを紛らわすためにお酒に走るしかないのだ。
こういうところが売れ残りの原因なんだろうなという事は充分自覚している。
心配そうに私を見つめるマスターを尻目に飲み進める私は、その時点で大分お酒が回っていた。
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