変な女

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変な女

「あれ?ルイが手紙読むなんて珍しいな。」 「ん?ああ……なんとなくな。」 手の中の手紙を見つめ、さっき見かけたのが見間違いではなかった事を理解する。 まさか、あのファンの中にまぎれてるなんて…。 ”あの日のことで話があります。” そう一言書かれていた手紙には電話番号が添えられていた。 俺がいつも行くバーで、以前からよく見かける女がいた。 見た目はわりと綺麗なのに、滲み出るキャリアウーマン感で隙なんて全く無く、話しかけづらいオーラを出している。 男がいなくても1人で生きていけそうな雰囲気が周りにはいないタイプだったからか、ずっとその存在が気になってはいた。 キリッと無表情で酒を飲む姿から、こいつと話したらどんな表情をするのだろうと単純に興味が湧いていた。 そんなある日、理性の塊みたいな女がアホみたいに酒を煽り、ベロベロに酔っ払っていた。 しかも男が女を酔わせるのに使うカクテル『レディー・キラー』を、自分で頼んで酔っ払っている。 面白そう…。 そう思って話し掛けてみると、意外と会話が続いて驚いた。 俺もむしゃくしゃしてたし、あっちもなんかあったんだろうけどお互いに相手の事には触れなず当たり障りのない話がスムーズに進む。 そのラフな感じが新鮮で心地よかった。 そのまま2人で店を出て流れのままホテルに行った。 ベロベロに酔っ払ってはいたけど、挑戦的に見る目が俺を煽る。 それに思ったより良い体をしていた。 記憶なくしてんだろうし、起きたらどんな反応するのかと思っていたのに、俺が目を覚ました時にはもういなくなっていた。 一言くらい声を掛けても良いのに、何も言わずにいなくなるなんて。 なんて女だ!! この俺を置き去りにする奴なんて、初めてのことでイライラする。 俺が女を誘うなんてかなりレアな事なのに、連絡先すら知らないとか笑えた。
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