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1幕
朝陽と夕陽。
二つの写真の違いが、私にはわかると思っていた。
燃え盛る生命力にあふれた、赤い赤い光の玉。
浮き上がってくるのか、沈んでいくのか。
静止した二次元の中にあっても、こっちが朝陽ですと夕陽の写真を見せられて、その違いを100パーセント言い当てること、これは意外と難しい。
それはとどのつまり二つの情景が光の具合によって、レンズへの届き方によって似通うからだというのももちろんな話。
けれど写真から伝わるありのままの情景に乗せて、撮る者の思いも伝わるからだと、私は一人の男性に教えられた。
私は彼の声も、容姿も、本当の名前ですら知らない。
彼について一つ言えることは、私の写真に一番『いいね!』をくれた人だった。
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