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と…
「あれ?」
ふと、俺はそれらの写真の中の一つに…
何か妙な『違和感』を感じて、
スライドさせる手を止めた。
「うん?」
「どした?」
と、カズヤとナオキもケゲンな顔をした。
「いや…この女子…。
何か、変だと思わないか?」
俺は、その写真に写っている一人の女子を指差した。
その写真は、俺のクラスの教室を写したもので、
たくさんの女子たちがなごやかな雰囲気で談笑なんかしながら、お着替えをしている様子が写っているのだが…
その中で一人だけ…
髪が長くて白い着物を着た女子(幽霊のコスプレ?)が、
教室のど真ん中に、ぼぉーっと突っ立っていたのだ。
しかも、『こちら』…つまり、カメラの方を見ているように見える…。
「ほら…。
この女子だけ、幽霊のコスプレしてるじゃないか。
ウチのクラスの出し物って、メイド喫茶だ。
だから、みんな、幽霊じゃなくてメイドのコスプレをするハズなんだけど…。
第一、こんな女子、ウチのクラスにいないと思うんだよな」
「うーん…。それは、確かに変だね」
と、俺の言葉にナオキも首を傾げた。
「きっと…
お化け屋敷やってる他のクラスの女子が、自分の教室が混んでるんでお前の教室に来て着替えてるってだけの事じゃないのか?」
カズヤが、口を開いた。
「うーん…。
確かに、そうかもしれないけど…
でも、それにしたって、この女子だけ『カメラ目線』で、こちらをじーっと見てるじゃないか。
まるで…
デジカメが、教室に仕込んであるのを見付けたみたいな感じで…」
と、俺は言葉を続けた。
ちなみに、
写真の中の他の女子たちは、全員カメラの方を見てはいない…。
「…って事は…
まさか、俺たちの盗撮がこの女子にバレたのか?あれだけ、入念にカメラを仕込んだのに?」
少し焦った感じでナオキが言った。
「だ、だとしたら、マズイな…」
俺が、そう言うと…
「でも、それならこの女子、何で他の女子たちにその事を知らせないんだろ」
と、カズヤが首を傾げた。
「…だ、だよなっ!
これって、きっとただの偶然だよ!たまたま、目線がカメラの方を向いてしまったとか。きっと、そうだって!」
ナオキがホッとした様子で笑って言った。
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