169人が本棚に入れています
本棚に追加
/154ページ
竹内春日です。四露死九!
「海斗、俺切ない片思い中~」
「切ないならやめれよ~」
講義中にノートの端を使い筆談する。
俺は竹内春日。
四露死九とか言ったけど?今までグレた事も無いし、真面目で普通。そう、見た目も中身も良く居る様な一般男子。
(おいおい、中途半端!それ言うなら夜露死苦しょ?)
そして俺が筆談してるのは大学で同期の海斗。普通過ぎる俺から見て彼はかなり目立つ。
長身。細身だけどしっかりと筋肉は付いていて、おまけに顔も整ってる。性格も……まぁ良し。
こんなに兼ね備えた奴がなんで俺なんかとつるむのが不思議でしょうがない。
おまけに、海斗は母子家庭らしくバイトだけで学費と生活費賄ってるから常に金欠では有るが全く苦にして無い出来た男だ。
「ハル、違う人見れば?」
「引っ越ししないと無理かも……」
そう、俺はと言うと…今プライベートな部分がカオス。
カオスとは?
ギリシア神話に登場する原初神であオルフェウスによれば、このカオスは有限なる存在全てを超越する無限を象徴しているという。
んでもって、カオス=混沌。
ものごとが入り乱れて、定まっていない様子
今後のなりゆきが、見えない状態。
ぐちゃぐちゃ。
とにかく俺はこんな感じなの。
海斗に答えを求めたけど余計にモヤモヤとして思考も入り乱れる。
プラス、寝不足故に恐ろしく頭は朦朧とするから講義の内容は全く頭に入って来ない。
「海斗、午後の講義代返しといて!」
うつらうつらした講義も終わると直ぐに席を立ち海斗にそう告げた。
「ズルッ!今度飯奢って貰うからね!」
「はいはい」
外に出るとやけに天気が良くて目の奥が痛くなる。
あくびをしながらママチャリにまたがった。
最初のコメントを投稿しよう!