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宍戸 六六(ししど ろむ)は、インターネットで死神のように存在している、弥勒という組織の創設者であった。でも、俺の兄、孝弘とラブラブな生活を送っている。
「そうだね。近況も教えたいよね」
岩崎が去り、家の中は変わった。まず、里見 健一(さとみ けんいち)という中学生が同居している。里見は、家で銃撃戦が起き、その原因であった母親が心を病んで入院してしまった。里見の父親は、全身麻痺であった里見の介護を拒否した。
そこで、俺達が同居に踏み切ったのだが、里見はあっという間に、立って歩けるようになっていた。しかも、里見は麻痺の時代に、株で稼いでいて、更に天才的なプログラムの設計者あった。設計と特許だけで、里見は自活できていた。
でも、里見は中学に通い出し、高校を受験するらしい。数学や英語は得意であるのに、里見は国語が壊滅的であった。
空いてしまった岩崎の部屋には、御調 比呂(みつき ひろ)が住んでいる。御調は、俺の弟、有真(ゆうま)の親友であるが、牛の研究を続けるために、こちらの獣医学部に移動したらしい。正確には、牛ではなく牛乳であるが、御調は大学で研究をしていた。
御調はアパートを探していたのだが、ここの部屋が空いたのを知り、護衛も兼ねると言って引っ越ししてきた。
男ばかりで住むようになり、食事は当番制にした。しかし、俺と慶松は帰りが遅いので、どうしても御調に家事が集中していた。御調が、文句を言うのかと思ったら、意外にも御調は家事が得意であった。そこで、岩崎の時と同様に、慶松は家事と引き換えに、御調の家賃をなしにしていた。
岩崎はいなくなってしまったが、変わらずに生活しているのが、少し悔しい。でも、平和に過ごしていて、皆でワイワイと騒いでいると知らせたい。
「氷花、孝弘さんが来るのでしょ。夕食は何にする?」
外で食べて来てもいいが、里見もいるので、何か作って食べたい。
「そうだな。結構、暑くなってきたし、さっぱり系がいいよね。エビのマヨネーズ和えと、素麺、冷やし漬物かな」
「どういう組み合わせ?」
ラーメンの野菜を食べていると、麺が伸びそうになっていた。慌てて麺を食べると、一服する。やはり、野菜ラーメンはおいしい。
「エビは兄貴の好物、エビチリでもいいけどね。冷やし漬物は、家で、夏によくしていた。氷の中に漬物を入れて冷やしておく。我が家のデザートかな」
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