明日のみそ汁

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高校生になって、父が帰らない日が増えたことに気がつく。 休日もフラリと出かけ、遅くまで帰ってこない。 これまでは終電で帰ってきて夕飯を食べ、朝は私が家を出た後に起き朝食をとってから出勤していたらしい父。 ここ最近は、母の作った食事と、私の作ったみそ汁は、手がつけられないまま放置される。 夏場、無駄になった食事が増えた。母は仕方なしに「ごはんは冷蔵庫に入っています」とのメモを置くようになったが、普段レンジで温めるという行為すらしない父だ。冷蔵庫に取り残された食事は、私と母が次の日に食べるようになった。 「お母さん。お父さんのご飯はもういいんじゃない?」 前の晩から一ミリの変化もないおかずをのせた皿を温めるたびに、小さな怒りと悲しみが増える。 それでも母は、父の食事を作り続けた。 ある日の深夜、いさかう声で目を覚ます。 そっとリビングを覗くと、母が声を殺して泣いていた。私は翌日からみそ汁を二人分しか作らなくなった。
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