Girls on Film

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Girls on Film

 打ち寄せる波の音。他には何も聴こえない。    空に浮かぶ半月を眺めながら、俺は夜の浜辺でビールを飲んでいた。夜風が火照った身体に心地いい。何故なら全身筋肉痛&ヤブ蚊に刺されまくって腫れまくりだから。  なんせ昼間は汗だくで取材に出ていたからな!    移動の車中、先日の買い物で買い揃えたであろう色違いの麦藁帽子やビーチサンダルで、皆がはしゃいでいる中、なぜか俺は米軍払い下げ迷彩服にジャングルブーツ姿で、汗をダラダラ流していた。 「あの・・・石塚さん?」 「バックパックには取材用の機材他、もしもの為の飲料水、食料など完備しております。その総重量は約20キロ」  そしてバイパスから少し山道へ入ったあたりで、俺は空挺投下よろしく、車から緊急射出されたのである。 「はい、これ地図。18:00に迎えに来ますので、印付けてあるピックアップポイントでお待ちください。尚、邂逅予定時間を10分以上、経過した場合、作戦は失敗と見做し回収を断念します。以上」     
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