番外編

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 僕は一緒に寝ようと言われただけだったはずだ。  だから眠るためにカイルについてきたのである。  だが今考えるとやけに生暖かいような目で、メルとレイトに見送られたような気がする。  そして現在、僕はカイルにベッドに押し倒されていた。  じっと見つめるカイルの瞳は、熱っぽく僕を見つめている。  そしてベッドにいるこの状況が多分、えっと、これは……。 「カ、カイル、僕をどうする気なのかな?」 「口に出して言わないと分からないか?」  嗤うカイルが僕の頭に手を伸ばして、僕の猫耳カチューシャを取り上げた。  それを離れた場所に投げたカイルが僕に、 「タクミの生まれたままの姿を楽しませてほしい」 「う、うう。心の準備が……」 「でも俺はもう我慢できない。タクミ、ダメか?」  甘えるように囁かれて僕は、断れなくなってしまう。  だって僕も、カイルは好きだし。  そ、そういったことは初めてだけれど、カイルとだったら……。  そう僕はくらくらとしながら思い頷く。  カイルの顔が僕の顔に迫ってきて、唇が重なった。  そのまま、舌が入り込んでくる。  熱くザラリとした感触。  舌が絡まる感覚に、僕の体の奥の方がぞくりとする。  僕自身、期待しているのだろうか?  けれどすぐに熱に浮かされたように何も考えられなくなってしまう。  そこで唇が放されて、カイルが小さく笑う。 「キスだけでそんな幸せそうな顔をされるとは思わなかった」 「え? ……ふえっ」  そこで耳をカイルにキスされる。  それだけで感じさせられてしまうけれど、そこで僕は気づいた。  このままでは僕は、ただいいように全部カイルにやってもらうだけではないのかと。  こ、こういう場合僕も積極的なお手伝いをした方がいいのかな?  恋人同士、だし?  といったことを考えているうちに、僕の上半身がはだけさせられている。 「や、やっっ」
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