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俊介の手紙はそう締めくくられていた。
「いや~なんというか熱烈だねぇ・・・・・・」
大地が照れた様に笑う。
「・・・・・・」
成海が真っ赤になって両手で顔を覆った。
「ま、なんにしてもその俊介って子は、いい政治家になるだろうね。自分の信念を貫く事の大切さを教えてもらったんだから」
大地がニッと笑った。
「・・・・・・そだね。俊介はこの国を変える政治家になるよ」
ふふっと成海が笑う。
「その手紙、柊ちゃんには見られない様にね?」
大地が苦笑する。
「・・・・・・うん」
成海が俯く。
「返事してあげたら?」
大地がウシシっと笑う。
「うん・・・・・・どうしよ」
成海が困った様に笑う。
「プロポーズの返事してあげなよ」
大地がウヒョヒョっと笑う。
「もうっ、悠ちゃんっ」
「この国を担う政治家になる。って事は、遅かれ早かれまた警護の依頼が来ると思うよ。恐らく柊ちゃんと一緒になるんじゃない?」
大地が真剣な顔で言う。
「・・・・・・分かってる」
「辛いと思うけど、時にはハッキリ断ってあげないと希望を持たせることになる」
「・・・・・・うん」
成海が俯く。
「怜くん」
不意に後ろから声が聞こえた。
「・・・・・・柊斗っ」
成海が無意識に手紙をポケットに押し込んだ。
「悠真くんの用終わった?」
「う、うん」
「なんだったの?」
「え? あの・・・・・・」
成海がいいよどんでいると、「ちょっと任務報告が漏れてるのがあったから、来てもらったんだ。柊ちゃんはどうしたの? ナルちゃんが心配で来たの?」と、大地が助け舟を出す。
「そっか、俺はちょうどいいからお土産をね?」
成海にねっと笑いかける。
「あ、そうだね。お土産買ってきたんだ」
成海がホッとした様に笑った。
「お土産?」
「この前二人で休みもらった時に遊園地行ってきたから、そのお土産」
黒川が紙袋に入ったTシャツを渡す。
「あとヒロにも買ってきたんだけど、来るかな?」
「ああ、ヒロは残務処理が終わってそろそろ戻ってくると思うよ。お茶でも飲んで待ってたら?」
「そうしよっか?」
「そだね」
「お、いいじゃん可愛いじゃん」
大地がTシャツを出して嬉しそうに笑う。
「怜くんが選んだんだ」
「さすがナルちゃん、俺の好み分かってる~」
「ふふ、悠ちゃんお洒落さんだからね」
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