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「ああ、そういう意味か・・・・・・」
「柊ちゃん、もちろん武尊は二人の事知ってるし、柊ちゃんから奪い取ろうなんてしないと思うから安心して?」
大地が言う。
「大丈夫だよ、橘くんがどんな奴か俺も分かってるから」
黒川が落ち着いて言う。
「怜はそんな武尊の気持ちに少なからず気付いてて、それに応えられない自分を責めてる。ま、そんなとこだろ」
結城が優しい顔で呆れた様に笑った。
「なるほどね」
「柊ちゃん大丈夫?」
「大丈夫、ごめん、俺勘違いしてた。怜くんはまた辛い事を思い出して自分を責めてるのかと思った」
「ああ、それは多分ね、もう大丈夫な気がするよ?」
大地がふふっと笑った。
「どうして?」
「それは~、柊ちゃんが居るから」
「俺が? どうかな」
「うん、最近ナルちゃんが凄い落ち着いてるから。きっと柊ちゃんが側に居るからだよ」
「そうなら嬉しいけど・・・・・・」
「まあ、これからまだ色々あると思うけどさ、柊さんは怜の側に居てやってくれよな」
結城が言う。
「もちろん。ヒロもね? もちろん大地くんも」
「じゃ、そろそろ戻るかな~」
大地がう~んと伸びをする。
「そうだな。怜の様子も気になるし」
結城が立ち上がる。
「あ、そうだ。ヒロ、これお土産」
黒川がTシャツを結城に渡す。
「なに? Tシャツ?」
「うん、この前怜くんと遊園地に行ったからそのお土産。怜くんが選んだから」」
「そっか、サンキュ。お、いいじゃんシンプルで」
結城がシャツを広げて満足そうに言った。
「俺ももらっちゃった~、可愛いでしょ?」
大地がもらったド派手なTシャツを見せる。
「・・・・・・恥ず」
「ナルちゃんやっぱ俺らの好み分かってるよね~」
「そうだな」
「今度はみんなで行こうって」
「怜は楽しんでた?」
「うん、凄く楽しそうだった。行って良かったよ」
「ふ~ん、あいつナンパされなかった?」
結城が聞く。
「俺が離れた途端にされてたよ。本当、どうしたものか」
はぁっと溜息をつく。
「ま、諦めるんだな」
結城がふふっと笑った。
「じゃ、行きますか」
三人はぞろぞろと指令室に戻っていった。
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