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「無理してんだろ! 休憩もほとんど取ってないって悠ちゃん言ってた・・・・・・」
「怜・・・・・・」
「悠ちゃんがいくら言っても聞かないって」
「はは、二週間くらいどうって事ないって」
「ダメだ。司令室の仕事は集中力が過度に必要な仕事だから、休憩は取らないとダメだって武尊がオレに言ったんだろ」
成海が切なげに言った。
「そうだけど、何そんな怒ってんだよ?」
橘が苦笑した。
「オレの為か?」
「え?」
「オレの話聞いたから・・・・・・」
「そんなんじゃねぇよ」
「本当に?」
成海が真っ直ぐに橘を見つめた。
「・・・・・・っ」
橘が無意識に目を逸らした。
「武尊」
「俺は、ただ俺に出来る事をやってるだけだ。お前が気にすることない」
「無理すんな・・・・・・」
成海が真剣な眼差しで訴えた。
「・・・・・・悪い、でも大丈夫だから。無理だって思ったらちゃんと休む。だからそんな心配すんな」
橘がポンっと成海の頭を優しく撫でた。
「うん・・・・・・」
「それにな」
「うん?」
「俺より怜のが無理すんだろ!」
「えっ?」
「怪我しても任務に行っちゃうわ、手当しないで放っておくわ、危険な任務も一人で飛んでっちゃうわ・・・・・・」
「ちょ、武尊ストップ!」
「なんだよ?」
「あの、オレの話はいいから・・・・・・」
「ダメだ。怜の報告書見るたびハラハラさせられてんだ」
「・・・・・・ごめん」
成海が眉を下げる。
「俺は大丈夫だから。お前こそ無理すんな」
橘が優しく笑いかけた。
「うん」
成海が苦笑する。
「なに笑ってんの」
「オレが武尊に説教してたはずなのに、いつの間にかオレが怒られてるからさ」
「ありがとな。休憩はちゃんと取るよ。あいつらも少しは使える様になったしな」
「そっか」
「怜にもっと楽に生きて欲しいんだよ」
橘がボソっと呟く。
「・・・・・・オレをあんま甘やかすなよ」
成海が照れた様に笑う。
「俺は妹に甘いたちなんだ」
橘がニヤっと笑う。
「だから、それを言うならせめて弟だろって」
「だって、お前昨日可愛かったぜ?」
橘がニンマリと成海を見た。
「え・・・・・・?」
「お前、スカート履いて柊さんと歩いてたろ?」
「えっ?」
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