痛む心

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「あれ、マジビビった。超~可愛かったぜ」  橘が思い出す様に笑った。 「武尊、なんでそれ・・・・・・」  成海が真っ赤になった。 「俺が帰る時ちょうど見かけたんだよ。柊さんが女連れでカンパニーに入ってくるからさ。よく見たら怜だった」 「・・・・・・ち、違うんだあれは」  成海が赤い顔で必死に釈明する。 「ま、大方柊さんに無理やり女装させられたってとこだろ?」  橘がくっくっと笑いを堪える。 「うっ・・・・・・まぁ」  成海が下を向く。 「ま、柊さんの気持ちも分かるわ。俺も連れて歩きてぇ」 「あのね・・・・・・」 「あの後襲われた?」 「なっ・・・・・・」  成海がゆでだこの様に赤くなった。 「柊さん、意外と鬼畜だな」 「もぅっ、武尊っ」 「あ~あ~、こんな跡つけてやらしいの」  橘が成海の襟元を大きく開き覗きこむ。 「ちょ、武尊っ」  成海が慌てて服を引っ張る。 「怒るなって」 「・・・・・・武尊もなんか最近エロくなった」  成海がぷぅっと口を尖らせる。 「・・・・・・男はエロいもんだろ。それに、怜見てたら色々妄想しちまうし」 「え?」 「いや。たまには飯でも食おうぜ?」 「うん、武尊はご飯どうしてるの?」 「まぁ、ほとんど外食だな」 「そっか、そうだよな。じゃあ、今度なんか作りに行こっか?」 「え、俺の部屋に?」 「うん、なんかまずい?」 「そりゃ、柊さんが心配すんだろ」 「そっかな。じゃ、柊斗も一緒ならいい?」 「俺はいいけど」 「ふふ、じゃあもうみんなで集まろっか」 「そうだな。その方がいいかもな。俺もそんな強靭な精神力持ってねぇし」 「へ?」 「いや」 「じゃ、今度みんなで武尊の部屋に集合な」  ふにゃっと可愛い笑顔を向けてくる。 「ああ、サンキュ」  橘が少し切なそうに成海を見つめた。
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