束の間の休息

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「んっ? 鍵掛かってない・・・・・・!」  黒川が焦って寝室を覗いてみると・・・・・・スヤスヤとあどけない顔で眠る成海が居た。 「焦ったぁ・・・・・・。もう、鍵も掛けないで危ないんだから」  ホッと一安心してベッドに近づく。 「可愛い顔して寝てんなぁ・・・・・・ん?」  ふと、成海がいつもと反対の位置に寝ている事に気付いた。いつもは成海が壁側、黒川が通路側で寝ているのだが、今日は成海が通路側に寄って寝ていた。 「どうしたんだろ? あれ、怜くん俺のスエット着てる・・・・・・」  これって、もしかして・・・・・・ちょっと自惚れてもいいですか? 黒川が口元を緩ませる。そっと成海を抱き締めると、柔らかい感触が手に馴染んだ。二週間ぶりの感触だ。 「・・・・・・ん」  成海が身じろぐ。甘い香りが黒川の鼻をくすぐる。 「ん~生き返る・・・・・・」  幸せそうな顔で、成海の首筋に顔をうずめる。 「ん・・・・・・しゅ・・・・・・と?」  成海がぼんやりと目を開く。 「あ、ごめん。起こしちゃった? よね」 「・・・・・・お帰り」  成海が目を閉じ、ギュッと抱きついた。 「・・・・・・た、ただいま」 「ふふ、びっくりした」  成海がふわっと笑った。     
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