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「あ、そうだ! 怜くん、玄関の鍵開いてたよ?」
「え? そうだった?」
「そうだよ、いくらカンパニーの中とはいえ危ないでしょ!」
「大丈夫だよ、不審な気配があれば起きるし」
「そういう意味じゃなくて・・・・・・いや、それもあるけど!」
「ん?」
「誰かが襲いに来たらどうすんの!」
「・・・・・・ふふ、柊斗何言ってんだよ」
「悪意がなくても、性欲は別なんだから」
「・・・・・・性欲・・・・・・」
成海が赤くなる。
「性欲と理性は必ずしもイコールとは限らないでしょ?」
「そうなの?」
「そうだよ」
「柊斗も?」
成海が穢れの無い目で黒川を見た。
「えっ、それは~・・・・・・そういう事になりますかね」
「真面目な顔して何言ってんだよ・・・・・・」
成海がもぅっとか言って壁側に退いた。
「だって男だからしょうがないじゃん。それより、怜くんがちゃんとベッドで寝てるなんて珍しいね?」
黒川が着替えながら聞いた。
「・・・・・・そう?」
成海が背を向けたまま言う。
「それに、なんで今日はこっち側で寝てたの?」
「・・・・・・別に」
素っ気なく答える成海を見て、黒川が笑った。
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