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「それに、それ俺のスエットだよね?」
成海の隣に潜り込みながら聞いた。
「・・・・・・借りた」
「・・・・・・寂しかったの?」
黒川が嬉しそうに後ろから抱きしめる。
「そんなんじゃねぇ」
成海が顔を赤らめて言った。
「俺は寂しかったよ? 二週間も会えないなんて初めてだったからさ」
黒川がギュウっと強く抱きしめた。
「・・・・・・無事で良かった」
成海がふぅっと息を吐き、黒川の肩に頭をもたげた。
「ヒロのフォローのお陰で無事に終了したよ」
「ふふ、ヒロがついてれば安心だろ?」
「うん、本当に助かった」
「ヒロは何にも言わなくても、望んだ以上に動いてくれるんだよね」
「・・・・・・凄いね」
黒川がまた少し落ち込んだ。
「・・・・・・どした?」
「ううん・・・・・・」
「疲れてんだろ? もう寝よ?」
成海がくるっと向き直り、優しく微笑んだ。
「・・・・・・うん、そだね」
成海の頭に手を回し、口付ける。
「ん・・・・・・」
成海は目を閉じ、黒川に身をゆだねた。
久しぶりのキスに黒川は胸が熱くなった。
怜くんの感触だ・・・・・・甘い。確かめる様に唇を這わせる。
「んっ・・・・・・」
成海の体が小さく震えた。
「怜くんっ」
黒川が思い切り成海を抱き締める。
「・・・・・・っ、柊斗、なんかあった?」
「え、なんで?」
「辛そうな顔してる」
成海が心配そうに見ている。
「・・・・・・どうもしないよ」
「本当に?」
「本当に」
うう、ヒロに劣等感を抱いて自己嫌悪に陥っているなんて・・・・・・言いたくない。
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