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「ふふ、なに落ち込んでんだよ」
成海が柔らかい笑みを浮かべる。
「ああ、癒されるぅ・・・・・・」
成海の胸に顔をうずめた。
「・・・・・・柊斗はさ、」
成海が、黒川の頭を撫でながら話し始める。
「柊斗はさ、カンパニーに入ってからまだ一年も経ってないんだぞ? それでもう実戦任務に就いてるなんて、凄ぇ事なんだぞ?」
成海がふふっと笑いながら、優しく黒川の髪を撫でる。
「・・・・・・慰めてくれてるの?」
「ふふ、落ち込んでるの?」
「・・・・・・う、そんなんじゃ」
「そう? じゃ、もう寝よっか」
「・・・・・・やだ」
「もう、なんだよ」
成海が困った様に笑った。
「怜くんはさ、」
黒川が拗ねた様に話し出す。
「うん?」
「俺のどこを認めてくれたの?」
「え?」
「いや、俺の実力を見込んでくれたから、今こうしてカンパニーに居られるわけなんだけど・・・・・・どこなんだろうって思って」
黒川が所在無げに言う。
「・・・・・・どこって、色々な面から見て総合的にだよ?」
「総合的ね・・・・・・」
「・・・・・・任務でなんか失敗でもした?」
「いや、そうじゃないんだけど」
「じゃあ、何落ち込んでんだよ?」
成海が優しく聞いた。
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