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「・・・・・・落ち込んでるわけじゃないんだけど、今回の任務がなんとか成功したのもさ、ヒロのフォローがあったからなんだ」
「・・・・・・それが?」
成海がキョトンとする。
「俺一人の力じゃない」
「・・・・・・一人で遂行出来ると思ってるの?」
「出来ないといけないと思ってる」
「・・・・・・バ~カ」
成海が苦笑する。
「な、バカって事はないでしょ?」
「バカだよ。一人で任務に就いて、一人で遂行なんてあるわけないだろ」
成海があっけらかんと言った。
「怜くんなんていつも一人じゃない」
「オレだって、ヒロの助けや悠ちゃんの助けがなきゃ何も出来ないよ」
「そうかなぁ・・・・・・」
「そうだよ。だからカンパニーに居るんだろ?」
「・・・・・・」
「一人でやるんなら、カンパニーに居る必要なんてない。そうだろ?」
成海が男前に微笑んだ。
「・・・・・・うん」
「ふふ、焦んなよ」
成海が極上の笑みを浮かべた。
「怜くん・・・・・・したい」
黒川が、真面目な顔で言った。
「な、急にに真面目な顔して何言ってんだよっ」
「したい・・・・・・」
「バカっ、もう寝ろって・・・・・・」
言い終わる前に、黒川は成海の耳を愛撫する。
「やっ・・・・・・それやめっ」
「怜くん、寂しかった?」
耳元で甘く囁く。
「・・・・・・っ」
成海がカァっと赤くなる。
「寂しくなかった?」
耳元で息を吹きかける様に、囁く。
「んっ・・・・・・」
「ねぇ、怜くん」
黒川が顔がくっつきそうな程、顔を寄せる。
「・・・・・・寂しいから柊斗のスエット着てんだよっ」
成海が赤い顔で声を荒げる。
「そうなんだ、はは、そうなんだ」
黒川が破顔しながら言った。
「・・・・・・もぅ、柊斗のバカ」
成海が頬を膨らませる。
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