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こうして僕はジュリオ王子と両想いになった。
というか、初めからどちらも両想いだったらしい。
ジュリオ王子が僕にセクハラをしたいがために“親友”だからこの程度は普通と騙していたがために、それを僕は信じてしまっていたようだ。
それともそう信じたくて僕はこのジュリオ王子の言葉をそのまま信じてしまったのだろうか?
恋人同士よりも“親友”の方が近い距離にいるような気がしてそちらを選んだのか?
どれだろうと僕は考えるけれど、思い当らない。
でも確かに僕はジュリオ王子が好きで、信用できる。
だから先ほどからジュリオ王子が僕に、
「どうして俺の前でそんな無防備なんだ?」
「? だって親友でもあるし、ずっと一緒だったし、信頼できるから?」
「……この信頼が俺にとっては非常に辛いな」
「? 信頼されるのが良くないの?」
「……この公爵家のアホ息子が」
また酷い事を言われて僕が怒ったりしているのはいいとして。
現在僕は、ジュリオ王子に招かれて部屋にやって来た。
そして、ベッドに押し倒されていた。
「え、えっと」
「俺、もう我慢できないからティモシーを襲う事にした」
「え、えっと、もう少しデートとかそういった期間は?」
「今まで十分一緒に遊んでデートをしただろう? 俺にだって欲望があるんだ」
そう言い切ってジュリオ王子に、僕は、どうしようかと思った。
頬が熱くなる。
僕とて、襲うの意味が分からない子供ではない。
つまり僕は……相体をこわばらせていると、
「駄目なのか?」
悲しそうにジュリオ王子に言われてしまう。
これは反則だと思って、でも、
「婚約破棄書は、意味がない物なんだよね?」
「ああ」
「婚約破棄は、しないんだね?」
「うん、俺がティモシーを逃がせない」
そんな執着を囁かれて、僕もジュリオ王子が好きで、だから僕は、
「うん、いいよ。して」
そう返したのだった。
僕は、今更ながら後悔していた。
お互い裸になって、僕がベッドに転がったまでは良かったのだけれど、
「も、もう胸は、胸はやだぁあああ」
「ティモシーは胸が弱くて可愛いな。これまでの俺の思い全てをまずここにぶつけてやろうな」
「へ、変態いいいいっ、やぁあああんっ」
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