281人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
「君は素直な子のようだね、気に入ったよ。僕は、桐生皐月。趣味で高校に通っている」
「趣味、ですか?」
「ああ、海外で六歳の時に博士号をとったからね。まあ、魔法よりも科学をとったのかと親類にはさんざん文句を言われたりしたが……いや、暗い話になるから止めよう。そんなわけで僕はこの高校生活を楽しみながら、この部屋を改造したりして楽しんでいるんだ」
魔法とか変なことを言っているけれど、大丈夫かなこの人と思いながら、僕はきっと中二病でも発症しているのだろうと考えた。
きっとこれが僕の考えた最強のキャラクターか何かなのだろう。
でも先程の部屋の改造を考えると、
「ええっと、この部屋に住んでも大丈夫なのですか? 桐生さん」
「大丈夫だよ。それから僕のことは皐月と呼ぶように」
その一言で終わってしまう。
あと名前で呼ぶように言われてしまったので、名前でこれから呼んでみようと僕は思う。
けれど不安はやっぱり僕の中に残っていたので、僕は真崎叔父さんを見上げると、
「今の所特に大きな問題はないから大丈夫だよ」
とのことだった。
やはりお金持ちの男子校となると、こんな風に変わった感じになるのかな? と僕が思っているとそこで真崎叔父さんが皐月に、
「それで他の子達は?」
「さあ、どこかで遊んでいるんじゃないかな?」
そういえば四人部屋だったと僕は思い出す。
だから後の二人はどんな人物なのか僕が聞くと、真崎叔父さんはちょっと悩んでから、
「偽不良と、自分の魅力が分かっている女装少年?」
そんな、イロモノっぽい同室者紹介をしてくれる。
そして噂をすればなんとやら、二つの人影が僕達の後ろに現れたのだった。
現れたのは髪を茶色と赤に染めた、不機嫌そうな男子と、セーラー服を着た女子だった。
但しここは男子校。まさかと思って僕が見ていると、真崎叔父さんが、
最初のコメントを投稿しよう!