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何故か可哀想な子を見るような目で僕はそう言われてしまった。
で、でも物語なんかではそういった感じの話もちょくちょくあった様な……気がするし、現実にもある……と僕は思う。
なのにそんな、画面の向こうからその内、嫁が出てくるんだと思っている様な夢見がちな男子と、僕は一緒にされてしまった。
そんな僕に更に彼らは続ける。
「そもそも何で僕達がそんな下品な事をしなくちゃいけないんだ。いらない存在は無視すればいい、それで十分だろう。いちいちそんな、どうでもいい事に無駄な労力をかけても仕方がない」
「で、でもそれを言い訳にこの学園から、僕が追い出されてもいいのではないでしょうか」
「……そんなに会長から逃げたいのか?」
「はい!」
元気良く僕はそこで答えたけれど、僕はそこで不穏な空気を察する。親衛隊である彼らふっと僕を見て嘲笑を浮かべ、
「そんな事をこの親衛隊である僕達が許すと思うのか?」
「で、でも……」
「憧れの会長の望み、我々親衛隊が全力を持ってサポートをする。……逃げられると思うなよ、少年」
宣言された時に僕はようやく気付いた。更に退路を塞がれたことに。
何故か僕に不利な方向に追い詰められている、そ う思った僕はここではっきりさせておかないと、と思って東雲会長に、
「ぼ、僕は貴方の嫁になるのは嫌です!」
「ふむ。つまり、俺に服を脱げと?」
そんなことは言っていませんと言い返す前に彼は脱ぎ始める。
誰か止める人はいないのかと思っていると、親衛隊の人も含めて目を輝かせてそれを見つめている。
しかも僕の同室者達は、面白がるように笑ってこの状況を見ている。
どうするんだ僕、これからどうなってしまうんだ僕。
は、そういえばこの服を脱ぐ行動は威嚇行動で、僕もそういった行動に出れば大丈夫かもという話を聞いた気がする。
一目惚れというのも当たっていたし言うとおりにしてみるといいかも!
そんな僕は制服をヌギヌギして上半身裸になり、腕を手前に出して、引き寄せるように力を込める。
だが、会長ほどの筋肉のない僕は、そんな筋肉のコブが出来るわけでもなく、そしてそんな僕を見て会長は……目を輝かせる。
「可愛い」
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