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風紀の人がいるという事は偽不良な正宗君が、危険で危ない事に!
慌てて僕が彼の様子を伺うと、そこにはうっとりとした表情で風紀委員長を見つめる正宗君の姿が!
この表情は、先ほど服を脱ぎだした生徒会長を見る親衛隊の物と同じである。
声をかけようかどうしようかと思っていると、そこでその風紀委員長は僕を見た。
ぼ、僕は巻き込まれただけなんですと思いながら凍りついているとそこで、風紀委員長と呼ばれた彼が、
「そこにいるのは、昨日やってきた転校生か」
「は、はい……」
「そこの生徒会長が何か面白がって手を出したのだろうが、そんな物に……」
だか彼はそこまでしか言えなかったようだ。
僕が彼に言い返すより早く東雲生徒会長が、
「これは俺が一目ぼれして嫁にすると決めた物件だから、手を出したらお前といえどもどうなるか分からないぞ」
と、そう宣言した。
僕は慌ててそれを否定しようとしたが、そこでその風紀委員長は顔を真っ青にして、
「ま、まさか、本気か? こんな普通で平凡そうな……」
「可愛いじゃないか」
「……」
「可愛いだろう?」
「……いや、誰相手でもあれな感じだったのに、特定の相手を作っただと? ……いやいや、だが こんな平凡……」
「可愛い」
言い切ったその生徒会長に、風紀委員長は何か気持ちの悪い変な物でも見たかのように、ふらりとその場から去り、朝食を購入していた。
それを見ながら僕も朝食を食べないと、と気付いたわけだけれどそこで、
「それで、水無月悠真、君は何を食べる?」
そう、名前を教えていないはずの生徒会長は、フルネームで僕の名前を呼ぶ。
なのでびくっと僕が震えて見上げると彼は、
「ああ、そういえば俺の名前は君には教えていなかったね。俺の名前は東雲総一郎だ」
微笑む彼に僕は、得体のしれない脅威を感じてその場から逃げ出してしまう。
それを見た東雲生徒会長は、
「……俺とした事が、可愛いからつい追い詰め過ぎてしまったな」
そんな呟きをこぼしていたことなど僕は知らず、そして、そのまま朝食を食べ損ねてしまったのだった。
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