とある学園にやって来た。

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 そんな声が聞こえた。多分会長と言っているので、あの裸の男は生徒会長なのだろう。 一応、偉いっぽい人なのに何故全裸で疾走していたのか。  そもそもどうして僕は、彼に追いかけられているのか。  というか、更に気になる事は……そう僕が思っているとそこでその、全裸の変態生徒会長が、 「いいんだ、あれは俺の嫁だから!」 「「「ええ!」」」  その答えに追いかけていたらしい複数人が、驚愕したような声を上げた。  うん、これが普通の反応だよね、そうだよねと僕は頷いた。  よかった、この生徒会長がおかしいだけだった僕の感覚は間違っていなかった、そう僕が心の中で思っているとそこで大きく床を蹴るような音がした。  同時に僕の頭上を何かが通り過ぎ、そして僕の目の前に飛び降りた。  それは、しゃがむように着地し、ゆっくりと立ち上がる。  目の前には不敵に笑うあの、全裸の男が! 僕はそれを見て立ち止まるが、そんな僕に彼は、 「さて、ゆっくりと愛を語り合おうか」 「ひ、ひぃい」  僕が悲鳴を上げるが、そこで背後から声がした。 「ところで会長、その子が嫁だなんて話は今日、初めて俺達は聞いたのですが……」 「ああ、さっき会って俺の裸を見たから、嫁 に決めた」  その全裸会長の言葉に、後ろの人達が沈黙した。  そして無言で僕の横を通り過ぎる。  人数を数えるとどうやら三人だった。  彼らはその変態の手足を担ぎ上げ、それにその会長が、
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