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「風邪、大丈夫?」
「ん?あ、全然大丈夫」
次の日の朝、私はひつにそう尋ねてみた。本当はあの手帳で事実を知ってから少し怖かったのだが、ここで怖がっていては彼女を救うことはまず不可能に近い。
「あれねー、学校休みたかったから仮病使った。演技バレなかったしすごいでしょ」
そう言って得意げに笑うひつに、私の頭の中にはもうすでに「ゲス」という言葉が浮かんでいた。本当に何をやらかすか分からない。例えば混ぜてはいけない洗剤どうしを混ぜたような。そんな感覚だ。
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