こいつの願望

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こいつの願望

放課後。 俺は生徒指導室にいた。 夏目綾音の話を聞くためだ。 なんで俺なんだ? 担任に言えよと言ったんだが、 『どうしても、宮本先生じゃないとだめなんです!』 なんて言われたら仕方がない。 5分後、夏目が入ってきた・・・というか現れた。 今・・・扉開く音したか? 『お時間とってもらってありがとうございます。』 「いや・・・んで、お前何年何組だ?」 調べたが・・・わからなかった。 『元、3年D組です。』 「元?」 『あの・・・私5年前に死んでるんです。』 「は?」 こいつ何言ってるんだ? 「いきなり私、死んでますなんて信じられるかよ。なんか証拠は?」 『証拠は・・・私に触れられますか?』 「あ?」 俺は夏目が差し出してきた手に触れようとする。 しかし・・・俺の手は空を切った。 「・・・マジかよ。」 『信じてもらえました?』 にこっと、目の前で夏目がほほ笑んだ。
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