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夏休み
夏休み。
毎日のように部室に集まる部員たち。
脚本は副部長の桜木が中心になって書くが、
他の4人も一緒に考えて文章におこしていく。
「うーんせっかくだからラブストーリーもいいんじゃない?」
「いいですね!学校で会った生徒と幽霊とのラブストーリー!」
『そんな素敵なストーリーにしてくれるの!?うれしい!』
女子3人はラブストーリーがお好みのようで。
結局、男女4人が高校に肝試しで集まり、途中で1人はぐれてしまった男子生徒が
女子生徒の幽霊に会い、お互い恋に落ちるが、
彼女は最後に消えてしまうというラブストーリーに仕上がった。
幽霊役はもちろん夏目。
夏目に恋に落ちる男子生徒役に柳。
あとの3人は生徒役+裏方に決まった。
練習が始まってわかったことは・・・
『いなもっちゃん、もっとそこは大きな声で。あと川本君はもう少し口開けたほうが発音よくなると思うよ。』
夏目はすごく真剣にみんなを見てくれている。指導も的確だ。
演劇経験もなく、顧問をやっている俺だけど。
とにかく夏目はうまい。
あいつの声はみんなを引き付ける。
それぐらいは俺でもわかった。
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