第二章 夢現

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子どもの頃から不思議なものを見てきた。 顔のない人、胴体のない猫。 それを他人は霊感と呼ぶ。 正確には霊視というものだと誰かが言った。 時折、その中に人と見間違うような姿のものがある。 それを見分けるために父親から渡されたのが雲外境と呼ばれるもののレプリカだった。 生きているかそうではないか、それを見分けるだけの代物であったが、私と愛称が良いのは間違いなかった。 そして今、それにはほとんどの人がうつらない。
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