3 そろそろ、学校行きたいんですけど……

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「でも、ミキさんみたいな綺麗な女の人にご飯作ってもらえるなんて、うらやましいです」 「え?」  ミキさんの手がピタッと止まる。 私、何か変なことを言っただろうか…。 「ああ、そっか~」 「え?な……何がですか?」 「ごめんね、ちゃんと説明してなくてぇ~、えー、どうしよっかな」    ミキさんは歯切れ悪く、もじもじと体を揺らす。頭の中にハテナマークを浮かべていると、足音が聞こえてきた。振り返ると、あくびをしている運転手さん……仙道さんが台所に足を踏み入れていた。 「あ、仙道ちゃんおはよー」 「あー……、何お嬢、変な顔して」 「おはようございます……あの、ミキさんがなんか……」 「ああ、また新人騙して遊んでんのか、テメーは」 「みんなが気づかない方が悪いと思いまーす」  仙道さんは冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを取り出しコップに注いでいく。私だけが取り残されているのだ。 「あの、だから何が……」  そんな風に伏せられたら、気になって仕方がない。もう一度、今度は二人に聞くと、予想外の答えが返ってきた。 「コイツ、男」 「は……?」 「だから、ち●こついてんの。見る? 見るならパンツ下ろしてやるよ」 「え?……は、はぁ!!?」 「もう、若い女の子には見せたくないわよ!……ごめんねぇ、女の子だから気づいてると思って」 「で、で、でも……」    ミキさんのお胸には私よりも立派なモノが付いている……私がぶるぶると動揺していると、ミキさんは大声で笑った。 「シリコン入れて、女性ホルモンもらってるの。下半身はいずれ改造予定」 「は、はあ……」 「……こんなのでも、受け入れてくれたんだから若様はご立派よねぇ」  ミキさんは、コンロにかけている鍋に向き直る。私も卵を割ろうとするが……動揺しすぎて、手の力がうまく入らないことが続いた。 「で、お嬢は朝っぱらから何してんすか?」 「お、お手伝いですけど……ん?」  仙道さんの言葉が耳に引っかかった。 「お嬢って、私のことですか?」 「はい」 「……なんで?」 「そりゃ……こんなヤ●ザもんの中の紅一点だから、いいじゃん、お嬢。王子様より呼びやすいし」 「いいな、私もそう呼ぶ!」    なんだか、どんどんヤ●ザに染められている気がしてならない。
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