3 そろそろ、学校行きたいんですけど……

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「……若も、一応ナンバー3なんですから簡単に指詰める約束しないでくださいよ」 「あ」  そうだった、この人たちの「けじめのつけ方」って……。 さっと若頭さんと仙道さんの小指を確認する、よかった、『まだ』小指……付いてた。 「ま、これからはここで過ごしてくださいね、お嬢」 「はい」  どれだけ部屋を見渡しても、記憶の中と寸分違わない『私の部屋』だ。ようやっとこのお屋敷の中に、ほっと一息つける空間ができたわけだ。  ベッドに腰を掛けると、『ある一点』が目についた。 「あ……!」 「どうかしました、プリンス?」 「いや……あの……」  私の目線の先を、若頭さんと仙道さんも見る。そこにあるのは、私の制服だった。 「……学校、どうしよう?」 --- 「ガッコウ?」 「はい……」  晩御飯の支度を始めるミキさんに、それとな~く相談するとこにした。 もちろん、「学校」のことだ。 ここに来てからの生活は、父と暮らしていた頃に比べると天国と地獄の差があった。 確かに、右も左もヤ●ザに囲まれている生活だけれど、あの頻繁に来ていた借金取りが一人も来ない。居間のテーブルに山の様に高く積まれた借用書もないし、門にも落書きされず綺麗なままだ。そして、あのクソ親父もいない。 快適と言えば、快適である。ただ、ある一点を覗いては。 「ガッコウ行きたいの?」 「はい……」 「まあ、お嬢も生JKだしねぇ。学校には行きたい気持ちもわかるけど……」 「けど?」 「若様、何ておっしゃるかしら?」 「そこですか、やっぱり」  ミキさんはうんうんと何度も頷く。 「一度、お話してみたら?」 「若頭さんとですか?」 「まあ、話してみないと始まらないし?台所のことは私に任せて、お話してみたら?」 「でも、忙しくないですか?若頭さん」  若頭さんが夜遅くまで、いろいろな書類の山と格闘している姿をこの数日だけだがたくさん見てきた。そのうえ、私の部屋まで作ってくれて……こんなことで時間を使わせてしまうのも、なんだか申し訳ない気もするが……。  そんな私の気持ちを汲み取ったのか、ミキさんは私の背中を強く叩いた。 「いった!!!」 「あら、ごめんね~。でも、出来るのに話をしないのはもったいないでしょ?」 「……はい」
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