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Prologue
『生きているのが辛い。
生きていてもいいことなんてない。
生きている価値なんてない。
死んだら楽なんだろうな。
死んだら辛くないんだろうな。
死んだら苦しみから解放されるんだろうな。
あなたはそんな風に考えていませんか?
死んだように生きていませんか?
自殺したいと思っていませんか?
そんな風に捨てるなら、その命を賭けてみませんか?
これがあなたの人生を変えるかもしれません。
けれど、命の保証は致しません。
興味がありましたら、ぜひ連絡をください。』
これは、あるサイトの1ページ。
自殺系のサイトとは少し毛色のが違っていた。
世界を恨むのでもなく、自らを虐げるわけでもなく。
他人がおかしいと説くのでもなく、世界と自分がズレていると嘆くでもなく。
まして、そんな状況からの逆転人生を描いたわけでもない。
このサイトはただ一つ。
命を賭けてみないかと。
そう言っているだけだった。
一体どうしてこんなサイトが生まれて、そしてあるのかというのは謎だが。
何故かこのサイトはあった。
こんな人はきっと探している。
死ぬための理由を。
生きることを諦める理由を。
大義名分がなければ、死ぬことができないから。
命を投げ出すことができないから。
詳しい情報は何も載っていない。
ただ、興味があれば連絡をしてほしい。
それだけのサイト。
けれど、これは彼らにとって一つの手段に成り得る。
そう、死ぬための、諦めるための手段として成立する。
彼らの望みは、2つに1つ。
生まれ変わり、新しく充実した人生を送る。
もしくは、死んでしまう。
そんな両方の望みを満たすこの謳い文句。
それはまさしく、最高の餌と言えるだろう。
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