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たまにダビデ像のレプリカをじっと見てたっけ。
しかもその視線が明らかに下腹部で、それに気がついた私に、いやあ、俺の方が大きいなとか下ネタかましてたっけ。
でもあれって実は照れ隠しで。
男の股間に興味があったんじゃ…。
だとしたら宝城さん、大ピンチ。
チャラ男が先輩のこと狙ってる。
いや、宝城さんの頼みじゃ断れないしって、もしかして知り合い?
実はもう肉体関係を結んでたりしてるんじゃ。
リアルBL。
嫌だ、そんなの嫌。
宝城先輩は綺麗なままでいて。
じゃないと、悔しい。
そうだ、こんな誰とでも男に宝城先輩がやられるなんて、許されない。
ああ聞きたい。
宝城先輩と関係はなかったのかと?
「なんだよ。何見てるんだよ」
「いやあ…」
でも聞けない。
聞くのが怖い。
「宝城先輩とはまだ何もないぞ」
どうしてだ。
なぜだ。
この勘の良さはなんだ。
「そう、まだか…」
でもまだってことは、ありってことなのか?
「ありだな。たまにはイケメンもいい」
「何言ってるの、無しよ」
ほんと、怖い。
こいつの読心術。
「まあ宝城さんが女だったらなんだけどな」
思わず、ホッとして、表情が緩んだ。
完全にその顔を読まれた。
ホッとしてるのは、別に宝城先輩をどうこうしたいというわけではない。
田端と関係があると思うだけで、なんか嫌なだけだ。
とにかく宝城先輩はまだノーマルだ。
普通に付き合っていける。
男好きでも関係ないんだけどね。
取り敢えずペナルティが一つなくなった。
それでなくても、男子は苦手なのに。
考えてみれば、なんで私はこんなに宝城先輩のためにいろいろしてるんだろう。
ちょっとしたパシリになってないか。
生徒会長だったんだし、人使いが荒いのは仕方ない。
ブス眼鏡じゃないだけ、「まあ、いいか指数」が高いってもんだ。
「二年生に魔法少女がいるって話知ってるか?」
田端がニヤニヤしながらそう言った。
「魔法少女?」
いきなりアニメみたいになってきたな。
「ほんとかどうか分かんないんだけど、変わった子がいるって話、いろんな女子がしてたから」
なるほど。つまり人脈だ。
セフレ人脈。
二年生に魔法少女がいるとして、周辺の子はその子の子を変わった子だと思ってる。
それを面白おかしくネタっぽく話したとしても不思議じゃない。
「予言があまりに当たるんで、アカシックレコードを見てるだとか、魔法少女だとか呼ばれてるらしいんだ」
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