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「それ信じてるの?」
「俺は信じてないかな…」
「私も信じないわ」
「魔法少女がね…、近いうちに結ばれるって予言してるらしいんだ」とか、適当な話しをでっち上げてるかもしれない。
ちょっと都市伝説みたいだし、ピロートークのネタとしては、悪くないネタだ。
ただね、俺、その子と会ったことないんだよね。
「今の彼、浮気者ね」とか、
「手当たり次第に手を出してるわ」って、言われたらしい。
とはいえ、田端は学校じゃそれなりの有名人だ。
「田端には気をつけて」と女子たちは話してるし、チャラ男の噂は学年を問わず知れ渡っている。
なのに騙される。
としたらそもそも騙されてるわけじゃないのかもしれない。
そういうものだと受け入れてる可能性が高い。
「気を付けて」と言ってる女子が、ふられた女子かもしれないし。
予言はそもそも予言でないのかもしれない。
外れる確率の少ない予想だ。
二年四組の浜浦さんだって。
少女は別に魔法少女と言う雰囲気はどこにもない。
それとも中2病的な女の子で、占いでもしてるのか。
とにかく私は捜査に行き詰っていた。
一体ラブレターを書いたのは誰なんだ。
とにかく未だ宝城先輩は告られてないんだろう。
だから私に捜索を依頼してるわけだし。
パシリをしてても実は幸せだったりして。
まあ、先輩の願いなら叶えてあげたいしさ。
藁にでもすがるつもりで魔法少女を訪ねたわけよ。
「あのう」
私は何と切り出せばいいのか、迷っていた。
普通に女子と話するのも苦手だと言うのに、いきなり、魔法少女ですかと切り出せない。
「お待ちしてましたよ」
「えっ?」
「今日、私を頼って一人の男子が来るとタロットに出てました」
本物?
「で。私に何を聴きたいのですか?いえ、分かってます。ラブレターの相手を探してほしいのですね」
すごい。当たった。
「で、そのラブレターは手元にあるんですか?」
「ああ、はい、これ」
「ピンクの封筒。内容は宝城直也さんへの熱い想いですね」
なんだ、透視能力か?
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