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「しかも男の子はキュートでベビーフェイス」 「そんなの分かんないじゃない。ブサメンかもしれないし」 「ううん、彼はかなりのイケメンよ」 「じゃあ、恋の相手はBL志望なの?」 「さあ?」 「とにかく、その字は男の子の字よ」 そうか、女子が女子を好きになる。よく聞く話だ。 先輩の女子とかがチョコをいっぱいもらうなんて話、よく聞く。 周りに結構いるわ。 当然逆もしかり。 BL小説がもてはやされるのも、現実世界に存在するからだ。 女子の場合、男っぽい女子がモテる気がする。 男は逆にとっても女の子っぽい男子がモテるのかな。 BLじゃ、イケメン同士が多い気がするけど。 なよなよ男子を守ってあげたいみたいなパターンもあるし。 でもBLはダメよ。 宝城先輩はノーマルでいてほしい。 BLファンの私もその聖域は守ってほしい。 宝城先輩は男っぽくてなんかちょっと近寄りがたいオーラがある。 男が好きになってもおかしくない。 「で、誰?その男、分かってるんでしょ」 「よーく考えて」 「それが分からないから魔法少女に頼んでるんでしょ」 「魔法少女って私のこと」 「そうだよ」 「私は魔法なんて使ってないわよ。全部推理してるの」 「あなたが私を魔法少女と信じたのは噂のせい?」 「それもある、でも封筒を開けずに中身を言い当てた」 そうだ。ペンギンの絵の便せんだ。 ピンクの無地の封筒に絵付きの便せんがあったとしても不思議はないが、それがペンギンの絵と推理するのは不可能だ。 だから魔法と信じた。 「魔法じゃないとすれば…」 浜浦は私に問いかける。 「魔法じゃないとすれば…」 私は頭をフル回転させた。 「それは透けて見えたとか?」 「はずれ」 分からん。降参だ。 「やっぱりへぼ探偵決定だわ。へぼ探偵コナンね」 「そもそも探偵じゃないし」 「いい、封筒の中を見ずに中身を言い当てるなんてできはしないのよ」 「そりゃそうだ」 「じゃあ最後のヒント」 「いい、よく見るのよ」 そう言って、浜浦は文字を書き始めた。 「へぼ探偵コナン」 これでわからない? 「えっ?全然分からないや」
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