恋の落とし物

１

で、結果どうなったかと言うと、宝城先輩は私と付き合うことになったのだ。
それは浜浦がそう願ったからだ。
「占いに出たの。二人は付き合うべきだって」
その言葉に従い、宝城先輩は私に交際を申し込んだ。
いきなり過ぎるでしょ。
オタク女子の私にいきなり告んないでしょ。
しかも本意じゃないんでしょ。
私のこと好きでもないくせに。
そう、私はあのチャラ男田端のことをもう悪く言えないのだ。
好きでもなくても恋愛はできるもの。
それに私は信じてる。
宝城先輩が口にする。
「愛してる」という言霊を。
それによく当たる魔法少女が占ってくれたんだもん。
疑う必要なんかないじゃない。
こうして私たちの付き合いは２年目を過ぎた。
ただ未だに手を握らないのは、「赤いスイートピー」の歌詞にもある、シャイボーイだからだと思ってる。
幸せとは幸せと思う気持ちだ。
少なくとも宝城は浮気はしない。
私に対して一途だ。
だから私は毎日幸せだ。