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30分ほど経って目をあげて、サトシを見ると、
サトシも私の顔を覗く。私がうなづくと、
サトシは立ち上がって、私の手を引いた。
サトシが私に目で合図する。
2つ先のテーブルにさっきの青年と、
セーラー服の女の子が並んで勉強しているみたいだ。
サトシは私を連れ、そのテーブルの前に行って、
手をちょっと振って図書を出る。
私が振り返ると青年が私にも手を振ってくれたみたいだ。
私もチョットだけ、手を振ると、
青年は声を出さずにガッツポーズをした。
変な人。
私はおかしくなって微笑む。
サトシを見ると、私に大きく笑いかけた。
まあ、いいか。
久しぶりに図書館に来れたし。
「夕飯、何食べようか?」とサトシは私の耳元で囁く。
私もサトシの耳元で
「美味しいもの。」と囁くと、
「スミレが1番美味しいけど。」とサトシは私の耳に唇を付けたので、
私は赤くなって、
「馬鹿。」と呟いた。
~おしまい~
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