第4章 早春。

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私がハルキさんに手を引かれてbeetleに戻ると、 「花嫁の入場ですよー。」とユウスケ君が言って、 他のお客さんからも拍手が贈られる。 すごく恥ずかしいけど、嬉しい。 サトシが立ち上がって迎えてくれる。 「どお、サトシ君。」とハルキさんが笑うと、 「スゲー綺麗。」と私を抱きしめてこめかみに音を立ててキスをする。 ヒューと言う口笛と、おめでとうと言う声に包まれて、サトシと私は並んで 「ありがとうございます。」とあいさつした。 「よーし、飲むぞお。」とツグミとシンゴが笑い、ミサちゃんもジョッキを上げる。 サトシと私が並んで座ると、 マスターとユウスケ君が料理をたくさん運んできてくれた。 しばらくみんな飲んだり、食事をしながらおしゃべりをする。 とても楽しい。 私が少し酔ってきたかなと思っていると、 フラリとハルキさんが立ち上がった。 酔ってる? タカシさんがクスクス笑っている。 「ショータイム。」 とユウスケ君が私に笑いかけてハルキさんの手を引く。
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